クリニックにおける院長とスタッフの”良好な関係”を築く為のポイント!

クリニックを経営する上で「患者さんに選ばれるクリニック」を実現するためには、先生方の医療技術や設備やサービスの質だけでなく、院長とスタッフの関係性が大きなカギとなります。
スタッフが安心して働ける環境を整えることで、スタッフの定着率が向上し、職場内でのストレスも軽減できます!
また、働ける環境が整っているとスタッフのモチベーションも上がり、患者さんに対しても温かみのある対応ができるようになります。

しかし、実際には院長とスタッフの「距離感」や「コミュニケーションの取り方」に悩むケースは少なくありません。

そこで今回の記事では、院長とスタッフがより良い関係を築くための『コミュニケーションのあり方・距離感の保ち方・効果的な面談方法』などについて、詳しく解説したいと思います。

【院長とスタッフの関係性がクリニック経営に与える影響】

■患者さんは職場の雰囲気に対して敏感

クリニックで働くスタッフ(医科:受付・看護師・事務)(歯科:受付・歯科衛生士・歯科助手)の表情や対応から、患者さんはクリニックの雰囲気を感じ取ります。
職場の人間関係が良好であれば、スタッフは自然と明るい対応ができ、結果患者さんの満足度も向上します。逆に、院長とスタッフの関係が上手くいっていない場合は、スタッフも無意識に態度や言葉に表れてしまい、その態度は患者さんにも伝わり、クリニックの評価も下げてしまいます。

■スタッフの定着率に直結する

スタッフにとって「職場に居心地の良さがあるかどうか」「職場環境が整っているかどうか」ということは、給与や勤務条件と同じくらい重要視している部分となります。
院長との信頼関係が築けていない職場では、離職率が高まり慢性的な人手不足に陥るリスクがあるため、職場環境を整えることはクリニックを運営していく上で、非常に重要な部分と言えます。

■院長の負担を軽減できる

院長とスタッフの関係性を築くことで、院長の考えもスタッフにしっかり伝わり、スタッフも自ら考えて動くようになります。
そうすることで、院長が全てを抱え込むのではなく、スタッフが自律的に動けるようになり、院長自身の時間や精神的な余裕が生まれます。
これは、長期的なクリニック経営において、非常に大きなメリットと言えます。

【コミュニケーションで必要な基本姿勢】

■「報・連・相」の習慣を共有する

医療現場では「報告・連絡・相談」は必須事項と言えます。
ただし、スタッフに「しっかりやって」と言うだけでは、正直全く機能しません。
院長自身が、オープンに報連相を実践することで、スタッフも自然と安心して情報共有ができるようになりますので、まずは院長自ら態度で示すことを徹底しましょう!

■上下関係より「チーム医療」の意識を持つ

クリニックは小規模だからこそ、上下関係が強調されすぎると働きづらさにつながります。
院長は「指示を出す人」ではなく「一緒に患者さんを支える仲間」という姿勢を示すことは重要です。
ただし、仲間と言っても、ただ仲が良くお互いが甘えた関係性では全く意味がありません。一緒に患者さんを支える仲間だからこそ、なぁなぁな関係ではなく「やる時はやる」引き締まった関係性でいることも大切となります。

■感謝の言葉を必ず伝える

「ありがとう」の一言は、スタッフにとって何よりのモチベーションになります。
診療中で忙しくても、スタッフの気遣いやサポートに対しては気づき、感謝を伝える習慣を持ちましょう。
仕事だから「やるのは当たり前」という考えではなく、小さな事でも「ありがとう」と感謝の言葉を伝えるだけで関係性は良くなります!

【スタッフに対する距離感の取り方】

■近すぎず、遠すぎず適度な距離感

フラットな関係性を築くことは大切ではありますが、過度に馴れ合うとなぁなぁな関係となり、規律が緩んでしまいます。
「人としてはフラットな関係」で、「組織としては秩序を保つ」というバランスを意識することが、理想的な距離感となります。

■雑談の注意点について

スタッフと会話をする時は、ちょっとした雑談は関係性を構築する上で有効ですが、個人的な詮索や偏った話題は逆効果となるので避けましょう。
趣味や世間話など、たわいのない事について触れる程度の「軽い雑談」がベストです!

■公平性を徹底する

特定のスタッフだけをひいきすると、不公平感が生まれ職場の雰囲気が悪化します。
評価や接し方はできる限り平等にし、透明性を持って接することが信頼にもつながります。
また、評価に関しては「見える化」することも大切です。

【面談の目的と面談方法について】

■面談の目的

  • スタッフの悩みを把握
  • スタッフの要望や不満を把握
  • 成長やスキルアップの方向性を把握
  • 職場環境の改善点を吸い上げる
  • スタッフ間の改善点を吸い上げる
  • スタッフと良好な関係を築く為

スタッフと面談を行う際は、単なる業務チェックではなく「スタッフを理解する時間」であることを意識して行いましょう。
また、院長が一方的に話しをするのではなく、できるだけスタッフに話しをしてもらうことも意識しましょう。

■面談の頻度

●面談は、最低でも年に1回実施(できれば半年に1回実施)
●フォロー面談は、必要に応じて随時行う(例:新人に対する面談・トラブル時の面談など)

定期面談をルーティン化することで、スタッフとの関係性を築くことができます。また、面談をする事でより良いクリニックを築くこともできます。

■面談の場所と雰囲気

面談をする際は、診察室やスタッフルームで行うのではなく、できる限り落ち着いた空間で行うのが望ましいです。
スタッフもリラックスした雰囲気の中で話すことができるので、本音を引き出しやすくなります。
逆に、周りに他のスタッフが居たりすると、本音を引き出す事が難しくなるので注意が必要です。
また、他の作業をしながら面談を行ったりすると、「自分の話を聞いてくれていない」「適当に対応されている」と感じてしまう為、それだけは絶対に避けましょう。

【面談で話すべき内容について】

■スタッフとの面談で話す内容

<業務に関すること>
・仕事で困っている事、進め方について、課題や改善点
・仕事に対するスキルアップの希望
・担当業務に対する改善点
・担当業務に対する振り返り、今後の目標

<働きやすさに関すること>
・シフトや勤務時間、残業などについて
・職場の人間関係(不満・要望・課題も聞く)
・仕事と家庭の両立に関して
・より良いクリニックする為の改善策

<キャリアや将来像に関すること>
・将来的な目標について
・自身のキャリア形成について

<院長からのフィードバック>
・院長から総括としてフィードバックする
・良い点・改善点をバランスよく伝える

スタッフと面談をする際は、上記の項目を意識して行うことをお勧めします!
また、面談時は「良い点・改善点」をバランスよく伝えることも重要です。
尚、面談時に注意点や改善点を先に伝えてしまう先生方もいらっしゃいますが、注意点だけを強調したり先にそのような話をすると、スタッフのモチベーションが下がるだけなので、必ずポジティブな要素から話すようにしましょう!

【スタッフとの面談を成功させるコツ】

  1. スタッフの話しは最後まで聞く
    スタッフの話は決してさえぎらず、まずは話しを最後まで聞くこと。(聞く側に回ることが大事)
  2. 質問は具体例を交えて行う
    「困っている事はない?」と聞くのではなく「今の業務でやりにくい事はある?」と具体的に聞くこと。
  3. 面談の記録はしっかり残す
    面談で話した内容は、次回の面談や今後で役に立つため、必ず記録として残しましょう。
  4. アクションに結び付ける
    面談で出た改善点に関しては、聞いて終わりではなく、実際に改善案として実行していくことが大事です。

【面談代行をご希望の方】
スタッフと面談する時間を取る事が難しい先生や、スタッフと面談する事が苦手な先生は、ぜひ弊社が行っている『スタッフマネジメントコンサルティング』をご検討くださいませ。
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詳しくは、以下よりご確認頂けます。

【まとめ】

今回は「クリニックにおける院長とスタッフの”良好な関係”を築く為のポイント」について、お話しをさせて頂きました。

院長とスタッフが共に成長し、良好な関係を築くことこそが、クリニックを運営していく上で最も大切だと言っても過言ではございません。

クリニックは小さな組織だからこそ、人間関係の良し悪しがダイレクトに経営に影響します。
院長とスタッフの距離感を適切に保ちながら、定期的な面談や日常のコミュニケーションを大切にすることで、結果『患者さんに選ばれるクリニック』を作り上げることができます。
スタッフと良好な関係を築く為のポイントとして、ぜひ今回のお話しをご参考に頂ければ幸いです。

「スタッフとのコミュニケーションの取り方で悩んでいる」「スタッフとあまり上手くいっていない」「スタッフと理想的な関係を作り上げたい」など、スタッフ関係でのお悩み事や、気になる事、相談したい事などがございましたら、大阪市北区梅田にあるクリニック経営コンサルティング会社『Calf J(カーフジェイ)』まで、お気軽にご相談ください。


■ 会社:Calf J (カーフジェイ)
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